自然エネルギー変換科学研究室(飯田研究室)

Natural Energy Conversion Science Laboratory
豊橋技術科学大学 機械工学系 環境・エネルギーコース

エアリード楽器

当研究テーマでは,演奏法や製品設計によって音が変化するメカニズムを解明することを目指し,リコーダーやフルート等のエアリード楽器を対象に流れと音の解析を行っている.
エアリード楽器は,リードが無く,エッジに向かって息(ジェット)を吹き出すことで音が鳴る.
下の動画は,リコーダーの吹鳴状態を数値シミュレーション1で再現し,ジェットと圧力の変動を可視化したものである.
吹き出たジェットは,共鳴管内の空気変動の影響(音響学的フィードバック)を受けて周期的に上下に変動しながらエッジへと到達する.共鳴管内には周期的に流量がもたらされ,発音が維持・促進される2

エアリード楽器は,流体力学的現象(ジェット)と音響学的現象(共鳴管内の空気の圧縮・膨張)が連成して発音するため,シミュレーションには圧縮性Navier–Stokes方程式に基づいた空力音直接計算を用いている.

リコーダーのほか,フルートを対象とした研究も行っており,これまでに,演奏者の息を可視化して演奏条件を実測し,その実測値に基づいた人工吹鳴実験を行ってきた3
現在は,演奏条件を変化させた場合の流れ場の変化をより詳細に調べるため,フルートを対象とした空力音直接計算による解析も行っている.

参考文献

  1. K. Onogi, H. Yokoyama, and A. Iida. Analysis of jet oscillations with acoustic radiation in the recorder by direct aeroacoustic simulations. J. Acoust. Soc. Am. 146, 1427−1437, 2019. AIP
  2. N. H. Fletcher and T. D. Rossing. The physics of musical instruments. 2nd edition, Springer verlag, New York, 1998.
  3. K. Onogi, H. Yokoyama, and A. Iida. Effects of jet angle on harmonic structure of sound radiating from the flute. Acta Acust. 5(11), 2021.AIP